情報史研究会編「名著で学ぶインテリジェンス」を読みました。インテリジェンスというものを知るためには良い一冊だと思いました。が、私は第Ⅲ部の「戦争とインテリジェンス」を興味深く読みました。とくに杉田一次さんの「情報なき戦争指導 大本営情報参謀の回想」については、非常に興味深い一冊でした。(ただ、amazonで見ても、現在は取り寄せ出来ない状況のようです。)この杉田さんは、日本人の国民性を1)器用で小細工が巧みであるが対極を見失う、2)情に流されやすく非合理性に陥るところがしばしば見られ、賞罰の厳正を欠いた。3)国際性が無く付和雷同的な点があると論じ、「戦前派軍事重視に陥り、戦後は軍事軽視に陥っているところに、わが国将来への不安が感ぜられる」と述べたそうだが、確かにそうかもしれません。この章に蘆溝橋事件当時の石原莞爾少将(当時、参謀本部作戦部長)の話が出てくるが、作戦部は情報部をまったく信頼せずに、日中戦争を拡大していったという文脈で語られていましたが、石原莞爾らしいですね。でも、なぜか突然彼の「「戦争史大観」や「最終戦争論」が読みたくなり、家に帰って探してしまいました。
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