りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

OTDモデルとプリンシパル・エージェント問題

今日も日経の「経済教室」が良かったです。明治学院大学教授の佐々木百合さん。経済教室の割に文章が平易なのも良かった。キーワードはOTDモデル。OTDとは売却すること(ディストリビュート)を前提にローンを組成(オリジネート)すること。金融機関のビジネスは、証券化によって創り出された信用リスク移転商品(CRTプロダクト)のローンを組成したり、組み合わせたり、引き受けたりすることによる手数料収入に重きを置くようになった。結果、従来のように信用リスクについて評価せず、いかに他人に信用リスクを売却して手数料を稼ぐかという点に重点がおかれ、その後の当該商品のリスクに対しては大きな注意を払わなくなったというのが、今回の金融危機の重要な要因と指摘(出典は「信用リスクの移転−2005年から2007年にかけての動向」)している。この考えは、コロンビア大学のミシュキン教授により「プリンシパル・エージェント問題」として説明されたらしい。プリンシパルはローンの最終的保有者、エージェントは貸出のオリジネーターである金融機関。プリンシパル・エージェント問題は、金融機関がOTDに徹するあまり、ローンの最終保有者を予想以上の損失から守るインセンティブが無くなってしまった点に問題があるということらしい。
リーマンの破綻からの一連の報道で、やっと今回のサブプライム問題がわかってきたような気がします。