りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

滝口範子さんの「なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?」を読みました。これは日経パソコンオンラインで書かれていた「シリコンバレー通信」に加筆したものらしいです。
シリコンバレーは面白いし、活気に満ちていて、かつ賢いです。
第1章 毎日がイノベーション
第2章 合理と、正義と、情熱の人びと
第3章 描かれざる格差
第4章 新しい市民社会をデザインする
第5章 メディア、ジャーナリズムの未来
第6章 日本人が知らないグーグルの素顔
第7章 正念場のアップル、マイクロソフト、ヤフー
という構成です。
第5章が良かったかな。

前書きに出てくる言葉ですが、「・・・ゴミ処理ひとつとってもしかり。『やってみましょう。ダメならばやり直しましょう。』そんな精神がここにはいつもあって、その向こうには『そうやっていろいろ試行錯誤を繰り返していれば、きっと世の中はいい方向へ進むはずでしょう』というお見事な信念がる。」というのが象徴的な気がします。
また、第5章では、インターネット・アーカイブを主催するケールの話が出てきます。
感心したのは、(グーグルやマイクロソフトも同様にコンテンツのデジタルアーカイブをしていることに対して)「知識が私有化されたり、商業的プラットフォームにだけ存在することになってもいいのかという、哲学的、社会的、歴史的な問題」という話と、「自分の力で世界を変えられると信じているこの『当事者意識』、そしてそのためにテクノロジーを用いた壮大な実験を行っている人々。こうした人たちがいることが、シリコンバレーという地域の真に面白い力学だと感じるのである。」というところでしょうか。私もコンテンツのデジタルアーカイブについては少しナイーブ過ぎたかなと思います。

本のタイトルは、「市民に努力を強いる代わりに機械で効率化を図ってしまおうという、いかにもアメリカ合理主義的なやり方を示す代表例」らしい。ただ、日本やドイツのように、ストイックに市民にゴミの分別を強いるよりは、合理的で実効性のある対策であることは間違いないと思う。何にせよ、すばらしい!

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?

なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?