りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

あん、食べる女

樹木希林さん追悼の意味もあって特別上映されていた映画館で鑑賞。美味しい餡子を作るには、心を込めて、手間暇かけて、素材の声を聴きながら・・・なんて展開なんだろうなという軽い気持ちで見たけれど、河瀬監督はそんな甘い監督ではありませんでした。ずっしりと来ました。偏見と闘うこと。偏見だとわかっていてもあがら得ないこと。そして、後悔だけが残ったのかな。サブタイトルは「やり残したことはありませんか」なのだけど、これは誰にとっての「やり残したこと」なんだろうと考えてしまいました。もっと時間があればできたことなのだろうか。どれくらいの時間があったらできたのだろうか。映画は時に大きな問いを投げかけてくる。現時点では消化しきれない・・・

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この前に「あん」を見て、15分開けて隣の隣のシアターでこの作品を見た。「あん」が重厚なドキュメンタリーのような作品だとしたら、この作品は正にエッセイ。今を生きる様々な年代の、さまざまな職業の女性たちが生きていく姿を、ところどころスナップショットで切り取って編集した作品といったらいいのかな。生き方は人それぞれ、考え方もそれぞれ。でも、美味しいものを食べて、美味しいと感じる。それは誰もが感じることができる幸せの瞬間なのでしょう。素材を美味しいと感じる。手間暇かけられた料理を美味しいと感じる。誰かと一緒に食べることで美味しいと感じる。美味しさを感じる感じ方は人によって、時によって、場合によってちがうかもしれないけど、幸せを感じたかったら食をおろそかにしてはいけない。食べることを通して、幸せを感じさせる何だか清々しい作品でした。

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