りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

安楽死を遂げるまで

 宮下洋一さんの「安楽死を遂げるまで」を読みました。podcastのボイスで、絶対に読むべき本として宮崎哲弥さんが推薦していたので素直に。欧州に拠点をおく宮下さんのレポは欧州、とりわけ安楽死が法的に認められているスイスから始まる。「死ぬ権利」ですね。絶えられない苦しみがあって、治る見込みがないなら、自ら死ぬ権利を認めるべきという、論理的に考えるとあえて否定できない感じ。ただ、オランダの安楽死にしてもスイスの自殺幇助にしても、何となく自分の中に違和感が残る。結局、医者が死に誘導しているというか、日本人的にはそれは殺人にならないのかなという違和感。その答えは最終章の日本の取材で何となくわかるような気がした。欧米は個を尊重するあまり、死も個人の問題になるけど、日本やアジアは死は個人ではなく家族の問題であるということかな。家族が死を許してくれないということかもしれないけど、「最後の最後まで精一杯やった」というエクスキューズが必要な文化であり、一方で本人にとっては、個人の尊厳よりも「人に迷惑をかけない」という感情が安楽死への安易な誘導になりえる環境であるというのが日本人的感情なのかな。宮下さんはちょっと違った書き方をしていたと思うけど、少なくとも自分にはそう感じられました。

安楽死を遂げるまで

安楽死を遂げるまで

 

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