山口周さんの「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか」を読みました。サイエンス的論理的なアプローチを誰もがするようになると、答えは自ずとひとつになり、市場としてはレッドオーシャンになる。本当に差別化するのは「アート」なんだという主張もあるのだけど、読み進めるうちにそれだけではないなと思いました。自分がやってきた線形推定検定論の延長で考えると、モデル化というのは代表的な特徴に注目して小さなことは捨象して単純化するということ。基本的に直交空間。でも、必ずしもモデルは正しいとは限らない。人工的につくられた直交空間に布置すれば確かにアカウンタビリティは上がる。でも、実は軸は直交していなかったり、捨象したところに意味があったり、つまるところバランスが重要だったりというところはやっぱりアートなのかもしれない。世の中の事象に法律が追い付いていないように、アカウンタビリティを求めると実際の細かいところが付いてこない。でも、そこも含めて全体として美しいことが人の感性に訴えることなのかなとか・・・そんなことを考えさせられる本でした。面白かったです。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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