りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

最低。光

そんなことをやっている場合ではないのですが、映画をはしごしてしまいました。

まずは、「最低。」。原作はセクシー女優の枠を大幅に超えて大活躍の紗倉まなさん。オムニバス形式で話は進み、最後少しつながるところも。AVという世界が借金まみれの転落人生の末路・・・なんて考えている人は今の世の中にはいないように思うけど、ごく普通の職業の選択肢の一つとして存在するというには、まだまだ市民権を得ていないような気がします。ただ、AVに出てみようという女優さんたちのきっかけは、普通の生活の中にある承認欲求。日々の生活の中で自分の存在意義を見失ってしまいそうなとき、パートナーである男性に女性として見られていない自分を感じる時、自分の存在場所を見つけたい、女性として見られたい、意外にそんな動機でこの世界に入っていくのかなと感じるものがありました。ただ、原作者の紗倉さんが語っているように、AVはやはり作られた世界。男性の娯楽として男性が喜びそうな視点でつくられている。現実にそういうセックスを女性が望んでいると思ったら大間違いというように、AV女優は商品として大切にされているのであって、女性として大切にされているのとは違うと思うんだけど。そして、消耗品として使い捨てにされるような感覚を持ってしまったら、彼女たちの承認欲求はどこに行ってしまうのかしら。AV女優も普通の女性というのは、そうなんだろうなと思います。でも、承認欲求を満たすためにこの世界に入って、消耗品とされてしまったら、彼女たちの心の傷はより深いものになってしまうのではないかと・・・そんな風に感じてしまいました。

身内の女性がAV出演をしたら、あるいはAV女優だったらというのもこの作品の一つのテーマ。いろいろな職業の偏見を無くしたいという思いもあるのだとは思うけど、やっぱり無理かな。何で・・・って思ってしまうと思います。

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二本目は「光」。正直言うと、この作品は期待外れでした。

この作品のテーマは暴力なんだと思うけど、一番の暴力は津波という人間には抗えない絶対的な暴力。その暴力によってすべてを流されてしまった人間の心っていうのが一番のテーマなんだと思っています。そういう意味では津波津波によってすべてを持ち去られた島の映像というか絶望感が、絶対に必要だと感じました。色々な理由でそういう映像は流せないのかもしれないけど、そこのインパクトが薄くて全体として単なる暴力が支配しているような印象になってしまいました。そして、そういうこだわりから言うと、第一の殺人も津波の後であってほしかったです。そういう前提で表面的にはいいパパでありながら心が空っぽな感じが、妻のイライラを引き起こし、欲求不満の原因になっていたりすると思うのだけど、その辺は井浦新さんといい、輔を演じた瑛太さんといい、いい演技だなと思いました。「僕たちは人間のふりをして生きている。」映画のキャッチはまさに津波によって持ち去られた心なんだと思います。ちょっと原作のイメージが強すぎたのか、何となく受け止め方のすれ違いを感じた作品でした。

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