りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

消費税は下げられる

森永卓郎さんの「消費税は下げられる!借金1000兆円の大嘘を暴く」を読みました。森永さんというと、どうもバラエティに出てくる経済学者というイメージだったのだけど、「ザ・ボイス そこまで言うか」で評論家の宮崎哲弥さんがこの本を絶賛していたので、買って読んでみて、なるほどと思いました。経済学者が会計に疎いのかは別として、1)日本という国の連結BSというのを作ってみると、資産が多く、純負債に限ってみると、十分に健全であること。2)国有資産は売れないといわれているが、実は売れるものが多く、また、証券化などの手段を使えば、さらに売却が可能なものが増えること。3)消費税は福祉政策の財源と思われがちだけど、実際には消費税を増やした分法人税を下げて、法人税減税の財源になってしまっていること。5)結局被害者は庶民であり、得しているのは富裕層と上級国家公務員であること。簡単に言えばそんな主張でした。

個人的にはヘリコプターマネーの経済学的な意味が何となく理解できたことが良かった。ヘリコプターマネーには、政府紙幣を発行する直接方式と、財政ファイナンスという二つの方式があり、両者は、銀行が日銀に法定準備を超える預金(いわゆるブタ積み)を抱えている現状では、まったく同じ効果を発揮する。つまり、銀行に資金を渡しても融資に回らないなら、国民に直接資金を渡せば、国民の持つお金が増えるから、消費が増えて景気が回復するという説明。これは本当かな?貯蓄に回るだけではないかとは思うけど、それは単発的にバラまくから効果が薄いのであって、それが恒常的であれば、財布は緩むのかもしれない。まあ、投資するものがなければバブルを生むだけという考え方もあるけど。ただ、一般に財政ファイナンス中央銀行国債を買うと、以下の三つの副作用が生まれるが、今の日本はそういう状況にないという意味で、極めて財政ファイナンスがやりやすい状況にあるのは納得。副作用の一つは、物価が上がってしまうということ、二つ目は国債の価格が下落すること、三つ目はその国の通貨が安くなるということ。確かにどれも現実的にそうなっていない。その辺はとても納得しました。

個人的には、将来世代にツケを残したくないという気持ちがあったのだけど、消費税財源が実は法人税減税に消えてしまっているという事実は遺憾。そして、実際の税の直間比率は十分なレベルにあることなどは新鮮でした。消費税を下げても、他の不公平な(多くは富裕層に優遇されている)相続税などの税制を見直せば国の財源が確保できるという主張については、非常に勉強になりました。確かに読んでおく意味のある本だと思いました。

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