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人工知能の核心

 NHKスペシャルの書籍化といってしまえばそうなのだけど、テレビで放映された内容とは違った角度で編集されているようでもあり、天才羽生善治人工知能をどうとらえているかを知る意味で大変有意義な作品でした。そして、羽生さんはやはり天才であり、このタイトルの通り、人工知能の核心をとらえているように思いました。

羽生さんの表現を借りると「引き算の考え方」と「美意識」という言葉がポイントをついていると感じました。引き算の考え方というのはある意味直感。将棋でいえば、考えられるあらゆる手のうちから考えるべき数手を選択して、そこに意識を集中する。その選択の過程なのだけど、羽生さんはそれを人間は直感で行い、かつ重要なプロセスと話している。そこから先の深く考えるところは、計算スピードの問題でもあるのでコンピュータにはかなわないけれど、直感によって選択するプロセスはまだコンピュータにはできないと考えている。また、その手が美しいか否かという「美意識」は動きなのではないかという説明。現代の人工知能ではひとつひとつの局面を静止画としてとらえている訳だけど、実際にはそこに至る動きがあって、今の局面ができている。美意識を考えるうえで「一貫性や継続性のあるものを美しいと感じる」という表現が正にそれで、そこが現時点での人間と人工知能の違いなのではないかと、少なくとも自分は感じました。そのほか記憶の問題とか汎用性の問題とか、興味深い話がいくつか。大変参考になりました。

人工知能の核心 (NHK出版新書 511)

人工知能の核心 (NHK出版新書 511)

 

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