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アパートローンのデータ蓄積・物件評価ツールと共同DB

夕方からFFRの勉強会に参加。今日はCRD協会による「アパートローンのデータ蓄積・物件評価ツールと共同DB」というタイトル。この領域は少しだけ懐かしい。売りは「収支シミュレーション」らしい。ポイントは賃料の下落、空室率の予測などが組み込める点。そういうのはデータの蓄積があってこそ。強みをPRしたいことは判りましす。ただ、残念なことはこの人たちが期待値の信頼限界とサンプルの信頼限界の違いがわかっていないこと。お金を貸す側の金融機関はポートフォリオとして考えているから、こうしたパラメータの予測が期待値ベースで良いし、信頼限界も期待値ベースの信頼限界でよいのだけど、オーナーに説明する場合は期待値は期待値で良いのだけど、リスクというか信頼限界で考えるなら、サンプルベースの信頼限界でリスクを説明しなければ統計的にはいけないはずなのだけど、その辺は判っていないようでした。まあ、やったら悲惨なことになるので、やれないとは思うけど・・・あと、データの同質性、何を同一母集団とみなし、何を違う母集団とみなすのか?最近の自分の興味なのだけど全然考えていないようでした。アウトライヤーの考え方はいくつか論文があるのだけど、母集団の違いは無いように思っています。原則はツリー分析のようなアルゴリズムが現実的なのかもしれないけれど・・・ビッグデータだとデータが多すぎて標本理論が使えないのが何とも・・・

それと、空室率。これは社会的に問題ですね。○○建託など管理会社が家賃保証をしていたりして、空室率はほぼほぼ0%らしいのですが、今日その仕組みを聴いて驚きました。家賃保証とは一棟丸借り。オーナーが税金対策でアパートを建てると、管理会社が、一等丸借りして、家賃の90%なり、85%なりを払って、プロモーションから管理まですべてを請け負ってくれる仕組みらしい。オーナーはその10%なり15%なりのサービス料などを払えば、空室のリスクもなく管理も丸投げ、左団扇で何もしなくてよいから楽らしいのだけど、問題は2年ごとに契約の見直しがある点。空室率が高いと家賃がガーンと下げられてしまうので、オーナーは結局空室率のリスクを負っていることになる。しかも、この低下した家賃では当初のローンが払えなくなり、結構訴訟とかも起きているらしいのだけど、その辺は管理会社の方が上手で、契約書には当然そういうことが書いてあって、裁判で勝てる見込みはないらしい。さらにポイントは、こうやって空室率が高いところは、管理会社との契約が切れてしまうので、必然的に管理会社のポートフォリオは空室率が限りなく0%に近くなる点。このデータを持って「弊社の実績ではほとんど空室率は無視していいんですよ。ほら、実績ベースでこんな感じです」なんて説明しているんじゃないだろうか。嘘ではありませんが、空室率が高いところをどんどん切り捨てているわけだから、これはトリム平均。こういうことこそ監督官庁が取り締まりすべきだと、話を聴いて憤っておりました。ただ、あまり問題にならないのは、現在のアパートローンが土地を持っている資産家に上物の費用をローンする方式がほとんどだからみたいです。危なくなったら、土地ごと処分して金融機関的には不良債権にならない。資産家は丸損なのだけど、そもそも資産家なので何とかなってしまう。それが社会問題になりにくくしている原因みたいです。まあ、日本の課税制度は給与所得者に厳しく、資産家には甘いので、こういうところで所得再分配が行われていると考えると経済的には良いことなのかもしれないけれど、やり方が正義じゃないですね。CRD人はそんなこと一言も言っていませんでしたが、聴いた話を断片的に組み合わせて想像すると上記のような話になりました。自分の勝手な妄想かも知れませんが、こういうビジネスに係わらないで済むという点で、今の立場で良かったなと思いました。

講演終了後、久しぶりに座長と某高松の地銀の監査の人と3人で飲みに行く。これは面白かった。だから、勉強会に参加することは辞められないなと思いました。