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東大のディープな日本史3

日記 読書

 相澤先生の「東大のディープな日本史3」を読みました。今回も20問の問題を取り上げ、解説する方式。成り立ちは1、2巻とは違うようですが、そんなに違和感はなかったです。今回自分が一番興味を惹かれたのは、「建武の新政はなぜ失敗に終わったのか」でした。後醍醐天皇がやろうとした新しい政治というか新しい統治に向かって、急進的に進めようとした結果、その急進性についていけない、ある意味保守派からの反発だったとまとめるとまとめ過ぎかな。あるいは武家も公家もすべてをまとめて頂点に立つという考え方への反発だったのか。とても興味深い内容でした。それと、「文化の地方伝播に武士が果たした役割とは?」の冒頭に出てくる内藤湖南の言葉。「だいたい今日の日本を知るために日本の歴史を研究するときには、古代の歴史を研究する必要はほとんどありませぬ。応仁の乱以後の歴史を知っておいたらそれでたくさんです」は印象的でした。この応仁の乱後、守護大名が没落し、「下剋上」の世に突入します。ある意味一度実力社会が出現して、江戸時代の統治につながるわけだけど、その辺の理解が少し進んだような気がします。

この本の締めくくりは「教育は日本の近代化にどのような役割を果たしたか?」です。とりあげられていたのは「やまびこ学校」の話。ただ、相澤先生は予備校教師という立場であるのに、なのかあるからなのかは判らないけど、教育に対する並々ならぬ信念を感じます。それはあとがきに表れているのだけど、東大の入試問題の解説を通して、問題は、あるいは問題作成者は「何を問いかけてきているのか」という姿勢は「学び」というものに対するこだわりから来ているように感じました。

・高田(瑞穂)先生がこの本(新釈現代文)で教授されている「たった一つのこと」とは、「出発」=書き手の問題意識を共有し、「追跡」=論の展開を追い、「停止」=結論をつかむ、ただそれだけのことです。

・論の展開を「追跡」」するとは、そうした<ゆらぎ>をも読み取ることです。そして、そこに思想の過程を看て取ることで、はじめて「出発」点である問題意識を共有することができます。しかし、<ゆらぎ>が<ゆらぎ>であることに気づくには、一度結論に触れていなければなりません。こうして書き手があとから結論が判ることの裏返しで、読者もあとから<ゆらぎ>が判ります。だからこそ、二度読まなければならないのです。

・学ぶ<意味>はあとからわかるという学びの構造

歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 (3)

歴史が面白くなる 東大のディープな日本史 (3)

 

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今月の読書 8冊