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スタンフォードの自分を変える教室

マクゴニガル博士の「スタンフォードの自分を変える教室」を読みました。自分の経験と照らしても、なるほどと思うことがいくつか。1)意志力を使って疲れていると、誘惑に弱いということ、2)良いことをすると「つい、これくらい良いだろう」と思ってしまうこと、3)ちょっとつまずくと「どうにでもなれ」と思って立て直しが効かなくなること、4)習慣も感染すること、5)考えないようにすると、かえって考えてしまい挫折すること、などは特に。結論は人間のそういう特性をよく知っていること、最終的な目標を忘れないこと、強い意志を持った人を意識すること・・・なのでしょうか。まあ、自分だけじゃないんだと思うと、ちょっと気が楽になった反面、それがいけないんだよなということを考えさせてくれる本でした。

●Intoroduction
・自己コントロールを強化するための最もよい方法は、自分がどのように、そしてなぜ自制心を失ってしまうのかを理解することだと私は考えています。
第1章 やる力、やらない力、望む力
・意志力とはつまり、この「やる力」「やらない力」「望む力」という3つの力を駆使して目標を達成する(そしてトラブルを回避する)力のことです。
・人間のもつ原始的な恐れや欲望が、健康や幸福、さらには自己コントロールにとって、どれほど重要であるかがわかります。
・意志力のチャレンジで成功することは、そうした原始的な本能に抗うのではなく、むしろ利用できるようになることでもあります。
・私たちはほとんどの選択を無意識に行なっており、なぜそうするのかという理由などろくに認識してもいなければ、どういう結果を招くかなど考えもしません。
・考えごとで頭がいっぱいになっていると、長期的な目標など忘れてしまい、衝動的な選択をしてしまいます。
・自分の選択をふり返って意識することで、いい加減な選択の数が減っていきます
・繰り返し行なうことは脳にとって容易になるだけでなく、それに合わせて脳じたいが変化していきます。
・瞑想を行なうようになると、脳が瞑想に慣れるだけでなく、注意力、集中力、ストレス管理、衝動の抑制、自己認識といった自己コントロールのさまざまなスキルが向上します。
・瞑想のあいだにやっていることは、まさにふだんの生活においてやらなければならないことと同じだと気づいたのです。つまり目標から遠ざかりそうになっている自分を、目標のほうへ引き戻すという作業です。
・自己コントロールとは、それこそ一日じゅう、目標から離れかけている自分に気づき、ふたたび目標へ向かって軌道修正するプロセスなのです。
第2章 意志力の本能
・あなたの心や体にストレスを与えるものは何であれ、自己コントロールの生理機能を妨げ、ひいては意志力を損ないます。
・呼吸のペースを遅くすると前頭前皮質が活性化し、心拍変動も上昇します。これが、脳と体をストレス状態から自制心を発揮できる状態に切り替えるのに役立つのです。
・睡眠不足が慢性化すると、ストレスや欲求や誘惑に負けやすくなります。
・睡眠不足の状態では体や脳の主要なエネルギー源であるグルコースを使用することができません。疲れていると、血液中のグルコースが細胞になかなか吸収されないのです。
第3章 疲れていると抵抗できない
・意志力を使い果たしてしまうと、人は誘惑に対して無抵抗な状態か、もしくはかなり弱い状態になってしまうのです。
・繰り返し自己コントロールを行なうことによって、脳も疲弊します。
低血糖食品とは、脂肪分の少ないタンパク質、ナッツ類、豆類、食物繊維の豊富な穀類やシリアル、そしてほとんどの果物や野菜など、基本的には素材のそのままの状態が保たれていて、糖分や脂肪や化学物質などの大量の添加物が入っていない食品です。
・最も重要なことは、自分が何をしようとしているかに気づき、実行するのがたやすいことより困難なほうを選択することです。
・苦痛を感じてしまうと、何かを変えようという試みも往々にして挫折してしまいます。
・ノークスの理論によれば、疲労は体の動きを止めさせようとする脳が生み出した感情にすぎないのです。
・意志力が弱まっていると感じたら、自分の「望む力」を利用してやる気を出しましょう。
第4章 罪のライセンス
・よいことをしたせいでいい気分になってしまい、次に自分が下した決断の悪い点が目に入らなくなっていたのです。
・私たちは相反する欲求をもっている場合、よいことをすれば、ちょっとくらい悪いことをしてもいいだろうと思ってしまうわけです。
・気晴らしをすることが自分自身のよい行動に対する最高の見返りだと思うようになってしまうと、自分にとって最も大切な目標を忘れ、誘惑に負けてしまうのです。
・私たちはただよいことをした「気」になっただけで、自分はよい人間だと思ってしまうのです。
・私たちは誰でも少し進歩すると、それをいいことについサボりがちになってしまうことを、心理学者たちはよく知っています。
・自分のやってきたことをふり返り、目標をあらためて心に深く刻み、その目標に向かって自分がいっそう努力したくなるように仕向けなければなりません。
・がんばったんだから少しくらいごほうびをもらってもいいよね、と思っている自分に気がついたら、ちょっと立ちどまって「なぜ」自分はがんばっているのかという理由を思い出してみましょう。
・人は目標にふさわしい行動を取る機会が訪れただけでいい気分になってしまい、実際に目標を達成したような満足感を覚えてしまうのです。
・私たちは、明日は今日とちがう選択ができるにちがいないと思いますが、そうはいかないのです。
・選択を行なうたびに、それが将来にわたってずっと影響を及ぼすことを認識しましょう。
・モラル・ライセンシングがもたらすのは、つまるところアイデンティティの危機です。
第5章 脳が大きなウソをつく
・実際にはドーパミン放出効果によって、好ましさや満足や喜びなどは感じられないということです。
ドーパミンには報酬を期待させる作用があるが、報酬を得たという実感はもたらさない」
ドーパミンの作用は行動を起こすためのもので、幸福感をもたらすものではない
・脳は「報酬の予感」を抱かせることによって、被験者がうっかり報酬をもらい損ねたりしないようにしたわけです。報酬システムが作動したとき、被験者たちが感じたのは「期待」であり「喜び」ではありませんでした。
・人はドーパミンが大量に放出されると、欲しくなったものを何が何でも手に入れなければ気がすまなくなります。ドーパミンの働きで注意力はすべてそこへ向けられ、それを手に入れること、あるいは繰り返し行なうことしか考えられなくなってしまうのです。
・何かが欲しくてたまらないとき、私たちの脳や体で起きていることを落ち着いて観察すれば、私たちは報酬への期待によってわくわくするのと同じくらい、ストレスも感じているのに気づくはずです。
・欲望をまったく感じなくなると、希望がもてなくなり、やがては多くの場合、生きる意欲をなくしてしまいます。
・欲望によって自分がどこへ向かおうとしているのか、そしてどういう場合なら欲望に従ってもよいかを見きわめられるかどうかなのです。
第6章 どうにでもなれ
・いつかは死ぬ運命にあることを思い出すとき、私たちはありとあらゆる誘惑に負けやすくなります。
・何となく元気が出ないときに、ちょっといいなと思う物を見つけると、ささやき声が聞こえてきます──ドーパミン神経細胞です──「買わなくちゃ。こんなすぐれモノがあったなんて!」
・ダイエットしている人の多くはちょっとつまずいただけで──ピザをひと切れ、ケーキをひと口食べてしまっただけで──ものすごく落ち込んでしまい、もうダイエットなんかしてもムダだとあきらめてしまうことでした。
・ちょっとつまずいたからといって、それが即、大きな失敗につながると決まっているわけではありません。危険なのは、最初につまずいたときに自分を恥じたり、後ろめたく思ったり、自制心をなくしたり、希望をなくしたりすることです。
・罪悪感は自分のあやまちを正すのに役に立つと思いがちですが、やはり、落ち込んでいると誘惑に負けやすくなるということでしょう。
自己批判はつねにモチベーションの低下や自己コントロールの低下を招きます。また、自己批判うつ病の最大の予兆であり、うつ状態では「やる力」や「望む力」が失われてしまいます。
・自分への思いやり──自分を励まし、自分にやさしくすること──は、やる気の向上や自制心の強化につながります。
・自分がいつどんなふうに誘惑に負け、誓いを破ってしまうかを予想することによって、決意を持続できる確率が高くなります。
第7章 将来を売りとばす
・脳を落ち着かせて賢明な判断をさせるためには、どんな誘惑に対しても必ず10分間は辛抱して待つようにします。もし、10分経ってもまだ欲しければ、手に入れてもよいでしょ
・人は最初にもらった報酬を手放そうとしないのです。
・将来の自分とのつながりが強くなると、「いま」できるかぎりの最高の自分になろうという意欲が湧いてくるのです。
第8章 感染した
・悪い習慣も好ましい変化も、ともに人から人へウイルスのように感染するということ。そして、その影響をまったく受けない人はいないということです。
・誰かが悪いことをするのを見ると、自制心が低下してしまうのです
・いちばんいいのは、あなたができるようになりたいと思っていることを習慣にしている人たちに出会うことです。
・どうすべきか迷っているとき、私たちはつい、人にどう思われるだろうかと考えます。研究によれば、これをうまく利用することによって自己コントロールを強化することができます。
・実際に何かをやらかしてしまった場合には、恥の意識がもたらすのは自己コントロールではなく、むしろどうにでもなれ効果です。
・自分の意志力のチャレンジをみんなに宣言すること。成功を願って応援してくれる人たちが、自分の行動をいつも見守っているのだと思えば、いいことをしようというモチベーションがますます向上するにちがいありません。
・私たちの脳は、驚くほど他の人たちの目標や、信念や、行動を、自分自身の決定に取り込んでいます。
第9章 この章は読まないで
・頭のなかで考えることや感じることに対しては、「やらない力」はまったく効果を発揮しません。
・私たちは自分の考えることには重要な意味があると信じています。ですから、ある考えがしょっちゅう浮かんで頭から離れなくなると、それは注意を払うべき緊急のメッセージにちがいないと思うようになります。
・頭に浮かんでくる考えをムリに抑えつけたりせず、感じるがままに感じようと腹をくくることは──ただし、頭に浮かぶことが真実とは限らず、感じたとおりに行動する必要はないと理解したうえで──不安や憂うつ、異常な食欲、依存症などに対処するのにも効果的な方法です。
・ダイエット中の人が食べ物のことを考えないようにしていると、食べ物に対する自制心が最も弱くなってしまいます。
・数々の長期にわたる実験の結果、体重の増減を繰り返すようなダイエットは、血圧やコレステロール値の上昇や、免疫システムの低下をもたらすとともに、心臓発作、脳卒中、糖尿病などの原因による死亡のリスクが高まることがわかりました
・あれこれと禁止するのをやめたら、みさかいなく食べるどころか、以前よりもずっと食欲をコントロールできるようになったのでした。
・やってはいけないことよりも、むしろやりたいことに注目すれば、皮肉なリバウンド効果を避けることができます。
・何かをしたい衝動にかられても、まずはその衝動をじっと感じて、すぐに負けないようにしましょう。
第10章 おわりに

スタンフォードの自分を変える教室 (だいわ文庫)

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今月の読書 2冊