りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

<インターネット>の次に来るもの -未来を決める12の法則

 Wiredの編集長であるケヴィン・ケリーさんの「<インターネット>の次に来るもの」を読みました。とても示唆に富む本でした。12の法則・・・というか動詞で、世の中の流れを説明する。一つ一つに説得力があって、なるほどと思うことが多かったです。特に気になったのは「トラッキング」かな。とにかく、この本を1週間もかけて読んでしまったのが失敗。全体の流れを把握する意味でも少し時間をとって、一気に読むべきでした。ハイライトしたのは以下。

〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則
1.BECOMING ?ビカミング
2.COGNIFYING ?コグニファイング
3.FLOWING ?フローイング
4.SCREENING ?スクリーニング
5.ACCESSING ?アクセシング
6.SHARING ?シェアリング
7.FILTERING ?フィルタリング
8.REMIXING ?リミクシング
9.INTERACTING ?インタラクティング
10.TRACKING ?トラッキング
11.QUESTIONING ?クエスチョニング
12.BEGINNING ?ビギニング

・テクノロジーの性質そのものに、ある方向に向かうけれど他の方向には行かないという傾向がある。
・不可避なものを阻止しようとすれば、たいていはしっぺ返しに遭う。禁止は一時的には最良の策であっても、長期的には生産的な結果をもたらさない。
・私が本書を書いた意図は、デジタルによる変化のルーツを明らかにすることで、それを取り込めるようにするためだ。
・常に流れているということは、単に「物事が変化していく」以上の意味を持つ。つまり、流れの原動力であるプロセスの方が、そこから生み出される結果より重要なのだ。
・方法論として常に変化し進歩するというプロセスは、ある特定のプロダクトを作り出すより100万倍も優れ、おかげで何世紀にもわたって100万もの新しいプロダクトを生み出してくれた。
・いまに続く多様なテクノロジーの力を渡り歩いてきた私は、それらの変化を、アクセシング、トラッキング、シェアリングといった12の動詞に分類してみた。
・こうした12の連続した行動の一つひとつがいまのトレンドとなり、少なくとも今後30年は続いていくことを身をもって示し続けている。
・これらの生成する動詞は、近い将来にわれわれの文化に起こるメタレベルの変化を表している。
・ビカミング(なっていく)、コグニファイング(認知化していく)、フローイング(流れていく)、スクリーニング(画面で見ていく)、アクセシング(接続していく)、シェアリング(共有していく)、フィルタリング(選別していく)、リミクシング(リミックスしていく)、インタラクティング(相互作用していく)、トラッキング(追跡していく)、クエスチョニング(質問していく)、ビギニング(始まっていく)。

1.BECOMING ?ビカミング
・存在するということは、主にメンテナンスをするということなのだ。
・個人が使うテクノロジーがどんどん複雑になってくると、周辺機器ともお互いに依存するようになり、それは生きた生態系のようになっていくので、アップグレードを遅らせることはより破壊的な結果をもたらすことになる。
・未来のテクノロジー生活は、終わることのないアップグレードの連続となる。そしてその頻度はどんどん高まっていく。性能は変化し、デフォルトというものはなくなり、メニューが姿を変えていく。いつもは使わないソフトを開いてある機能を使おうとしたら、メニューそのものがすべて消えていたということも起こるだろう。
・この〈なっていく〉世界では、誰もが初心者になってしまう。もっと悪いことに、永遠に初心者のままなのだ。だからいつも謙虚でいなくてはならなくなる。
・陳腐化のサイクルがどんどん早くなり(電話アプリの平均寿命はたったの30日[1]だ!)、別のものに取って代わられるまでにそれを修得するだけの時間はなくなり、あなたは永遠に初心者のままとなる。
・居心地が悪くない世界はユートピアだ。しかしその世界は停滞している。ある観点から完全に正当に思える世界は、他の観点からは恐ろしく不公平だ。ユートピアには解決すべき問題はないが、チャンスもない。
・プロトピアは目的地というより、ある状態に〈なっていく〉ことを指す言葉
・問題はコンテンツを作るのにはお金がかかり、5000チャンネルになると5000倍の費用がかかるということだ。
・われわれが見落としていたことは、このすばらしい新オンライン世界が、大きな組織ではなくユーザーによって作り上げられたことだ。
・2050年のウェブは過去の文脈に学ぶようになる。それは未来に対しても同じだ。
・あなたが朝起きた瞬間から、ウェブはあなたの意図を読み取ろうとする。いつもの予定が記録されているので、ウェブはあらかじめ、あなたがある行動を起こすのに先駆けて、尋ねる前からその答えを送って来る。

2.COGNIFYING ?コグニファイング
・動きのないモノを認知化することで得られる利点は、産業革命の何百倍もの規模で、われわれの生活に破壊的変革をもたらすだろう。
・ペイジの返事はいまでも忘れられない。「僕らが本当に作っているのは、AIなんだよ」と彼は答えたのだ。
・グーグルが毎日受けている30億回の検索要求[29]の一つひとつがディープラーニングの先生役となってAIに繰り返し教えているのだ。
・2009年には?恩達(Andrew Ng)とスタンフォード大学のチームが、こうしたチップを使えばニューラルネットを並列に稼働させられることに気づいた[33]。
・この発見が、ニューラルネットに新しい可能性を開き、ノード間で何億もの結合を持つことが可能になった。
・各層における計算結果を数学的に最適化することで、積み重なった階層の上に行くに従って、学習効果がより速く蓄積されるようにしたのだ。
・安価な並列処理機能とさらなるビッグデータ、そして深化し続けるアルゴリズムによるこの巨大な嵐によって、60年間もかかったAIが、あっという間に実現することになった。
・われわれのAIの未来は、二、三の大きな汎用クラウドベースの商用知能に寡占的に支配されることになりそうだ。
・AIが出てくることで、純粋な人間プレーヤーの技能が下がることはなかった。まったく逆だったのだ。安価で超スマートなチェスのプログラムは、いままでにないほど多くの人々をチェスに惹きつけ、より多くの試合が開催されて、人々はいままでになく強くなった。
・もしAIが人間を助けてより優れたチェスプレーヤーにしてくれるのなら、同じようにより優れたパイロットや医者、判事、教師が出てきてもおかしくはない。
・思考するマシンで最も重要なことは、それらが人間とは違う発想をすることなのだ。
フェイスブックもAI機能を強化しており、地球上のどんな人が写っている写真でも、全世界のオンラインユーザー30億人の誰であるかを特定できる[47]。
・人間は統計的思考が不得意なことで有名だが、だからこそ人間のような思考法をとらず、統計に特別秀でた知能を作っているのだ。
・AIの到来による最大の恩恵は、それが人間性を定義することを手助けしてくれることだ。われわれは、自分が何者であるかを知るためにAIが必要なのだ。
・典型的な工業用ロボットの運用にかかる本当のコストは、本体のハードウェアではなく運用コストだったのだ。
・人間の仕事をロボットが奪ったことばかりがニュースで話題になるが、人間では不可能な仕事にロボットが使われて非常に役に立っていることこそが最大の恩恵だと言える。
・まさに現実において、われわれが発明したものがわれわれに仕事をもたらしている。
・これはマシンとの競争ではない。もし競争したらわれわれは負けてしまう。これはマシンと共同して行なう競争なのだ。

3.FLOWING ?フローイング
・この永続的なアップグレード全体が連続していく。それは飽くことのない人間の欲望にとって夢のような話だ──より良いものが途切れることなく流れていく。
・いまではコンピューター化の第三段階に移行中だ。ページやブラウザーはもはやそれほど重要ではなくなった。現在の主要な単位は、流れとストリーミングだ。
・われわれは2日も待って高画質のDVDを見るより、少々画質は悪くてもリアルタイムで見る。同時性が品質より優先されるのだ。
・この新しいオンラインの世界では、コピー可能なものはすべて無料でコピーされる
・ブランド力のある会社は、そうでない会社と同じような製品やサービスにより高い値段を付けることができるが、それは彼らが約束するものが信用されているからだ
・レッドハット[Red Hat]やアパッチ[Apache]といった高収益を叩き出す企業は、フリーソフトの使い方を指導したりサポートしたりしてビジネスをしている。ただのビットに過ぎないコードのコピーは無料だ。その無料のコードにサポートやガイドが付くことで、価値のあるモノになる。
・同じ無料ソフトでも、目に見えない安心がほしくなる。あなたはコピー自体ではなく、その信頼性にお金を払うのだ。
・どこかで無料でダウンロードできる楽曲でも、使い勝手よくそれにアクセスするためならあなたはお金を払う。そのときの対価はその素材自体ではなく、いちいち保管する手間をかけず簡単にアクセスできることなのだ
・あなたは作品のコピーではなく、発見可能性にお金を払っている。
・プロでない人々が音楽を作り始め、プロではない作家が本を作りだしている──要素に分解したもの(作家にとっての言葉や音楽家にとってのコード)を自分のやり方で再び組み合わせているのだ
・われわれは現在、この固定化と流動化を、時代の主流となるテクノロジーに規定された正反対の特質と捉えている。紙は固定性を、電子は流動性を好むということだ。
・ストックからフローへ、固定から流動へという変化は、安定性をなおざりにするものではない。それは広く展開された最前線に立つことであり、そこでは変化することで選択肢が増えていく。休むことのない変化や姿を変えていくプロセスから、新しいものを作り出す方法を開拓しているのだ。

4.SCREENING ?スクリーニング
・人々が文字を読む時間は80年代と比べてほぼ3倍になっている
・スクリーンで読むことは最初に本を変え、本による図書館を変容させ、次には映画や映像を変え、ゲームや教育に破壊的変化をもたらし、最終的にはすべてのものに影響することになる。
・文章を行き来する方法はなかなか進歩しないものだ
・読書はソーシャルになる。スクリーンに表示されることで、読んでいる本のタイトルばかりか、その本に対する反応や注釈までシェアできるようになる。
・将来のデジタル図書館の長所は持ち運びに便利になること──本文全体をビット化して持ち運べ、いつでもスクリーンで読めるようになるということだけだ。
・ユニバーサルな図書館においては、どんな本も孤立することなくつながるのだ。
・本当にすごいのは次の段階で、本の中のそれぞれの言葉が相互にリンクされ、クラスター化され、引用され、抽出され、索引を付けられ、分析され、注を加えられ、かつてなかったほど深く文化に織り込まれていくことだ。
・すべての本もデジタル化していけば、それぞれの文章が他の本の文章とネットワークで相互参照され、リンクを示す青い下線でいっぱいになるだろう。
・ひとたびこうした断片、記事、本のページがどこにでもあるようになり、入れ替えできるようになり、移動できるようになると、優れたコレクションをキュレーションするユーザーは評判になり、それで商売できるようになるだろう。
・著者のオリジナルなビジョンが固定化され変化していない版は、得てして最も価値のある版として残るだろう。
・新しく創られたものの評価は、かつてのように評論家が決めるのではなく、それが世の中の他のものとどれだけリンクしているかで決まる。

5.ACCESSING ?アクセシング
・利用するものを所有する、ということが年々少なくなっていく。  所有することは昔ほど重要ではなくなっている。その一方でアクセスすることは、かつてないほど重要になってきている。
・単位GDP当たりに必要な物質の量は過去150年下がり続け、過去20年間に特にその傾向は加速している。
・デジタルテクノロジーは、製品からサービスへの移行を促すことで非物質化を加速する。
・「所有権の購入」から「アクセス権の定額利用」への転換は、これまでのやり方をひっくり返す。
・顧客も継続することによる利点をますます享受することになる
・こうしたスタートアップ企業は、非効率なものをいままでにないやり方で利用しようとする。彼らはある時間に空いている資源(空き部屋、駐車したままの車、使われていないオフィスなど)を集めて、いますぐに使いたいと待ちわびている人々と組み合わせる。あるいはフリーランスの分散型ネットワークを作り上げて、ほぼリアルタイムでサービスを提供する。
・分散化した組織を統治する流動的な関係性に対しては、アクセスするというスタンスこそが相応しい。
ビットコインは完全に分散化され、中央銀行が正確さを保証したり法的措置や規制をかけたりする必要がない通貨だ。
ビットコインの最も重要なイノベーションは「ブロックチェーン」であり、それはこのサービスを動かす数学的なテクノロジーだ。
・エコシステムは競争と協調が混じり合った、共進化という生物の依存関係を指す原理によって支配されている。
・プラットフォームの仕事は、参加者が協力しようが競争しようが、必ず儲かる(そして価値を高める!)仕組み作りだ。アマゾンはそれをきちんとやっている。
・プラットフォームの中で、プライバシーが失われ(個人の生活がいつもシェアされる)、海賊行為(知的財産権の無視)がさらに増えることが同時に起こるのは偶然ではない
・脱物質化や脱中心化や大規模なコミュニケーションはすべて、さらなるプラットフォームを生み出していくことになる。プラットフォームはサービスの工場であり、サービスは所有よりアクセスを好むのだ。
クラウドが旧来型のスーパーコンピューターよりも強力なのは、その中核が動的に分散化されているからだ。
クラウドとはまさに「バックアップ」なのだ。それはわれわれの人生のバックアップでもある。

6.SHARING ?シェアリング
・無料のオープンソース・ソフトウェアに熱心な人々は、共産主義のアカ野郎ではなくて政治的には自由主義者だ。
・誰もが誰もに常時つながろうとするグローバルな熱狂は、テクノロジー版社会主義を改めて静かに生み出しているのだ。
・工業化時代のトップダウン式の社会主義は、民主的な自由市場が持つ急速な適応力、絶え間ないイノベーション、自己生成的なエネルギーといったものに太刀打ちできなかったのだ。
・こうした新しい社会主義の経済的な側面を、ある未来主義者たちは「共有経済」と呼んでいるが、それはこの世界における基本通貨が「シェア」だからだ。
・ネットフリックスやスポティファイなどの共有経済的なサービスによって、視聴者は何も所有しなくなっていっている。
・たいして支払いも受けずに市場価値の高い仕事をこなしているのだ。こうしたコラボレーションの努力というものは、資本主義の枠内では理解を超えている。
・こうしたプロダクトやサービスを使った仲間の製作者たちは、お金の代わりに信用や地位や評判を得て、楽しみや満足や経験という形で報われるのだ。
・テクノロジー版社会主義を、自由市場的な個人主義か、あるいは中央集権的な権威主義かとゼロサムのどちらかで考えるよりも、テクノロジーによる共有は新しい政治のOSであり、個人と集団の両方を同時に向上させるのだと考えることもできるはずだ。
・インターネットは、経済原理に動かされているというより、ギフトを共有することによって動いているのだ。
ボトムアップ方式の大規模な試みは、われわれを目的地の途中までしか連れて行ってくれない。われわれは人生の多くの局面で専門知識を必要とする。まるで専門家の手助けなしに、求める知識レベルを手にすることは難しいだろう。
・私は今後50年間で、ウィキペディアのかなりの記事は編集者がコントロールし、査読され、事実確認がなされ、認証が与えられるようになると考えている。

7.FILTERING ?フィルタリング
・通常のMP3で圧縮した場合、人類の録音した音楽のデータ総量は20テラバイトのハードディスクに収容できてしまう。
・しかしながら、元から好きだったものだけが評価されることの危険性もある。独りよがりなスパイラルに絡め取られてしまい、ほんの少し違っているけれど好きになれるかもしれないものが見えなくなってしまうのだ。
・これに似たもっと良いもの」というフィルターが効果的になればなるほど、それを他の種類のフィルターと組み合わせることが重要になってくる。
・とことんコグニファイされ信じられないほど利口になったフィルターは、どんな分野にもさらなる選択肢を増やしてくれるし、その分野は増え続ける。パーソナライズが求められるどんな分野にも、フィルタリングが導入されていく。
・さまざまなメディアに対して、毎時の平均コストを計算してみた。メディアによってのばらつきはあったが、その額はほぼ同じで、毎時2ドルあたりに落ち着いた。
・過去20年にわたってわれわれのアテンションに対する価値付けは、驚くほど安定しているのだ。
これからの20年は、もっと質の高いアテンションを大規模に増やしていくためのフィルタリング・テクノロジーを利用することが、ゴールでありチャンスにもなるだろう。
・パブリッシャーや会議、ブログやプラットフォームがよく主張するのは、自分たちが他ではリーチできない特定のオーディエンスを持っていること、あるいは彼らと良い関係を築いているという点だ。
・コンテンツと同様に広告もキュレーションするプラットフォームができるだろう。
・ウーバーなどの分散化したシステムでは、以前には少数のプロが担っていた非常に洗練された仕事をアマチュアのP2Pネットワークに拡散させていった。
・2002年のIMFの白書によれば、「コモディティーの価格は過去140年にわたって毎年1%下がる傾向にある」とされる[220]。つまり、1世紀半の間にモノの値段はほぼ無料になってしまうということだ。
・潤沢な社会において残された希少性とは、コモディティーに由来するものでも、それにフォーカスしたものでもないアテンションだ。すべてがゼロに向かっていく中で、唯一コストが増加しているのは人間の経験だ
・経験をデザインするクリエーターにとって、われわれのアテンションには大いに価値がある。
・ロボットがわれわれのいまの仕事を奪ったらいったい何が残るか知りたいなら、経験に注目するといい。
・パーソナライズが進めば進むほど、フィルターはその個性を認識しやすくなり、より働きやすくなる。現代の経済はその中心の部分で、個別化と差異化の力が働いている

8.REMIXING ?リミクシング
・本当の持続的な経済成長は新しい資源から生まれるのではなく、すでに存在する資源を再編成することでその価値が上がり、それで達成されるのだと言う
・すべての新しいテクノロジーは、既存のテクノロジーの組み合わせから生まれると言っている[229]。
マッシュアップの手法は実際のところ、文章のリテラシーから来ている。
・文章のリテラシーとはつまり文章を構文解析して操作するものだとすると、新しいメディアのリテラシーとは、動画を同じように簡単に構文解析して操作できることを意味する

9.INTERACTING ?インタラクティング
・そのプレゼンスは多くの人々を惹きつけるが、それを使い続けようと思わせるのは、VRにおけるインタラクティブの割合なのだ。あらゆるレベルでインタラクティブであることは、テクノロジーの他の領域にも広がっていくだろう。
・視線を交わすことには、お互いを惹きつけるものすごい力がある。親密な感覚を喚起し、プレゼンスを強く感じさせるのだ。
・共通のコンセンサスとしてまとまっていたのは、われわれが全身と全感覚を使ってマシンとコミュニケーションするだろう、ということだった。
・外科的に脳にチップを埋め込むことで、盲目、聾?、麻痺のハンデを負った人が、頭で考えるだけで直接テクノロジーとインタラクションする試みが実際にとても上手くいっている。
インタラクティブになるにはスキルや調整能力、経験や教育も必要になる。

10.TRACKING ?トラッキング
・その流れは人生の流れと呼ばれる
・ライフストリームは時系列に並べられた文書の流れで、あなたの電子版人生の日記のようなものだ。
・各人がエクサバイトまではいかなくとも毎年ペタバイト級の大量のデータを生み出すことになると、どうやってライフログが機能するのかということだ。
・現在研究されているAIは、すでに何十億もの記録から、重要で意味のあるパターンを抽出するのに成功している。
・『マイノリティ・リポート』は、遠くない将来に社会では監視が進んで、犯罪が起きる前に犯人を逮捕するようになる話だ。
・以前には計測できなかったものが、定量化され、デジタル化され、追跡可能になっている。われわれは自分自身をトラッキングし続け、友人をトラッキングし続け、友人もわれわれをトラッキングし続けるだろう。企業や政府はもっとトラッキングの度合いを高めるだろう。
・共監視社会では一つの権利の感覚が生まれるだろう──誰もが人間として、自分自身のデータにアクセスできる権利、そしてそのデータから利益を得る権利だ。しかしどんな権利にも義務が伴うわけで、誰もが情報の全体性を尊重し、シェアすることに責任を持ち、監視している相手から監視されることが義務となるだろう。
・米国を含む多くの政府が犯している罪は、トラッキングについて?を言っていることだと私は考えている。
・トラッキングする主体の責任が法的に定められて(そこには規制が必要だ)正確さが担保され、その利点が明らかになり適切なものになるなら、トラッキングが爆発的に広がることは受け入れられるのではないかと思っている。
・パーソナライズすることと透明性を保つことには一対一の関係がある。
・ある人についてのすべてが見つかりアーカイブされている世界は、プライバシーのない世界だ。
・私がこれまで使ってきたシステムで、匿名を基本にしたものはすべて失敗している。
・人間はもうジリオンビットに対しては、触れたり処理したりすることはできない。われわれが収穫したり創造したりして生み出されるジリオンバイトのデータの潜在力を完全に引き出すには、マシンやAIが理解できるようにビットを構成しなくてはならない。

11.QUESTIONING ?クエスチョニング
・人はタダでは働かないと誰もが知っているし、もしそうしたとしても、誰か主導者がいなければろくなものができないと思っている。しかし現在では、ボランティアたちによって主導者もなく無償で作られたソフトウェアツールが、われわれの経済全体を動かす基盤となっている。
・いまのところ分かっているのは、不可能なことが現実になっているのはどんな場合にも、以前には存在しなかったような新しいレベルの組織が出現したからだということだ。
・イーベイの天才的なところは、安価で、簡単に、すぐにレビューできる評価システムを作ったことだった。遠く離れた赤の他人同士が売買できるようになったのは、コミュニティーの外にいる人の評価をすぐに定常的に確保できるテクノロジーがあるからだ。
ウィキペディアの「過去ログへ戻る」ボタンのおかげで、あるページを荒らすより荒れたページを元に戻す方が簡単になった──それは新しくより高いレベルの信頼の仕組みを作り、かつてならこれだけ大規模にはあり得なかった人間の振る舞いを強化することになった。
・遊びと仕事を合体すること、つまり一生懸命考えながらも遊び心を持って考えることは、この新しい発明がもたらした最大の功績なのではないかということだ。
・高度に進化した先進社会では、仕事というものがなくなるということではないだろうか?

・前作の『テクニウム』で、デジタル世界を最も深く理解するビジョナリーとしての評価を確立した著者が、その後の新たなアイデアを自身のブログやニューヨーク・タイムズなどの大手のメディアに発表し、それを基に続編を書くことを公言していたので、われわれはずっと注目してきた。

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

〈インターネット〉の次に来るもの―未来を決める12の法則

 

  [DATA]

今月の読書 3冊

1月からの読書 80冊