怒り

「怒り」、見てきました。重い。本当に重かったです。愛する人は何かを隠している。何かを隠しているけれども惹かれる。そして信じる。でも・・・殺人犯かもしれない。信じきれない。愛しているけど、疑う気持ちが芽生えてしまうとどうしても信じ切れない。一方で、優しい言葉で簡単に人を信じてしまう。何もわからないけれど、共感できるものを感じて信じてしまう。

愛している人を信じ切れなくなった時、でもそれが単なる思い込みに過ぎないことが判った時、襲ってくるどうしようもない自己嫌悪。何なんだろう。この悲しさというと陳腐すぎる気持ち。この涙は何に対する涙なんだろう。原作を読んだ時もうまく表現できなかった気持ち。映画は少しシンプルな形で、原作のモチーフをよりダイレクトに伝えてきたような気がしました。

宮崎あおいさん。いつも自分の世界観を持って、強く聡明な女性を演じることが多いのに、今回は少し壊れた女性です。できれば、こういう役はやってほしくなかったなという気持ちがなかった訳ではありません。ほとんどすっぴんで華やかさもあまりない。でも彼女の演技はさすがでした。確実に愛子を演じきっていたと思います。ああ、この人はこういう役も演じ切るのだなとそんな風に感じました。

それにしても、吉田修一さんの原作。李相日監督。「悪人」のコンビはまた、凄い作品を作ってくれました。

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