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ビッグデータの残酷な現実

 クリスチャン・ラダーさんの「ビッグデータの残酷な現実」を読みました。もちろん、ビッグデータの世界では今までわからなかったことがマクロとしてとらえられることは十分認識しています。そして、それによって不都合なことがわかることも有るだろうと思っていました。ラダーさんはOKキューピッドというアメリカの互助会というか、結婚相手を探すサイトのデータサイエンティスト。サイトの目的が目的なので、人々の嗜好性などが非常に浮き彫りされるデータをいじっている人と理解すればいいのかな。ある意味感覚的に理解できることでもあるのだけど、それをデータで証明されたということかもしれません。もちろん、なるほどという結論もあった。後半ちょっと難しく感じた。なのでハイライトしたのは比較的前半のファクト部分が多かったけど、うん、ちょっと納得して、ちょっと驚きました。

・「女性はセックスをしたことを後悔しがちで、男性はしなかったことを後悔しがち」であり、データもまさにこれを証明している。
・「WEIRD研究」(白人:white 教育を受けている:educated 先進社会:industrialized 裕福:rich 民主社会:democraticの頭文字)と呼ばれるもので、社会科学の研究論文の大半はWEIRDだ。
・女性の若さを重視する傾向は、裏を返せば、男性の好みが成長しないという意味でもある。
・音楽でも映画でも、人間に関するさまざまな出来事において、欠点は強力な要素となる。人間関係でも、みんなに好かれる人は心に残りにくい。誰かに嫌われることは、ほかの人からいっそう愛されることでもある。とくに女性の性的な魅力は、彼女を醜いと思う人がいるほど際立つものだ。
・外見の魅力のレベルが同じ女性のグループがあるとき、男性からのアプローチの数は、ばらつきと強い関係がある。美人コンテストで優勝しそうな華やかな女性、家庭的な女性、その中間の女性などグループの種類を問わず、最もモテるのは、グループの中で両極にいる女性たちだ。
・「あなたを好きではない人」の存在が、それ以外の人にとってあなたの魅力を高めるのだ。
・広く受け入れられる魅力は、ほかの男性も彼女を狙っているという印象を与え、実際の人気は徐々に減っていく。
・基本的に有能な人がときどき些細なミスをすると、この人はやはり有能なのだと思われる。
・ほんの少しの悪臭がミツバチを引き寄せるのだ。
・結局は、誰もが何かしら欠点を持っている。欠点に物怖じせず、自分らしさを大切にすること。それが真の教訓だ。周りに合わせようとするのは逆効果だ。
ツイッターは少ない文字数で意味をひねり出さなければならず、結果として文章力を高めるのかもしれない。
・ある人の文章の書き方は媒体によって変わるわけではなく、ツイッターだからといって「レベルが低下する」こともない。
・融合が弱い若いカップルは、強いカップルより破局する可能性が50%高いことだ。最も安定した人間関係の大半は、それぞれが相手の人生で融合の橋渡しをしている。
・埋め込みが深すぎると、あなたとパートナーは、二人で過ごす時間や関心をほかの友人と奪い合うことになる。二人の関係は「人間関係の一つ」になり、特別なものではなくなる。
スティーブ・ジョブズは、「人は形にして見せてもらうまで、自分が何を欲しいのかわからない」と言った。
・人間の言葉と行動が一致しないことは社会科学の大きな課題だが、私は人々が相反する行動を取る過程を目の当たりにするという貴重な機会に恵まれた。
・お互いの外見は、実際のデートを楽しんだかどうかにほとんど影響しないのだ。
・オンラインではあらかじめ相手を慎重に選別するが、実際に顔を合わせると、選別の条件はあまり影響しないようだ。
・信仰や政治、外見など、目を引く大きな条件を過度に重視しがちだが、そうした要素は思われているほど影響はない。相性にまったく関係ないときさえある。
・Okキューピッドのプロフィールに大きく表示される写真を見たユーザーは、実際に人種で相手を評価するのだ。
・黒人以外の男性の大多数は、黒人女性の評価を無条件で25%割り引くのだ。
・普段の人間関係を出会いサイトに持ち込みたい人はいない。
・黒人は男女とも黒人以外のユーザーからあまり評価されないが、アジア人男性も他人種からの評価は低い
・「女性は明らかに自分と同じ人種の男性を好むが(女性のほうが男性より「人種に忠実」だ)、2番目に好きなのは白人男性だ。
・黒人の男女とアジア人男性に「評価の割引」がほとんどないことだ。1滴でも異質なものが混じればすべてが染まるという、時代遅れの概念が覆されている。
・「平等な雇用機会」を掲げる企業ほど、顕著な差別をする。
・私たちの大半は??ほぼすべては??人種差別が間違っていることは理解している。それでも私たちが下す判断の多くは、いまだに人種差別をうかがわせる。
・男女とも美しさと成功は相互に関係しているが、いずれも赤い線のほうが急カーブを描いている。
・男性の面接官は女性の応募者の美しさを、恋愛関係の場合と(おそらく)同じくらい重視する。
・女性は明らかに、仕事を遂行する能力とは関係のない特徴を求められているのだ
・思考や信条などは明確な行動を伴わない。最も醜くて、最も敵対的な考えは、自我と文化規範のベールに隠されていることが多く、少なくとも直接的な質問で引き出すことは不可能だ。これは社会科学の呪いでもある。研究者がいちばん知りたいことを、被験者は何よりも必死に隠そうとするのだ。
オバマが掲げた「チェンジ」はことごとく失敗してきたが、アメリカが最も好む罵声の流れは変えたようだ
・オートコンプリート機能はリアルタイムの検索トレンドを明らかにすると同時に、グーグルが検索市場をほぼ独占していることを考えれば、トレンドを生み出す影響力もあるだろう。オートコンプリート機能が反映するステレオタイプは、結果的に社会に定着するだろう。
・集団犯罪から力が生まれ、罪は共有することで薄まる。異物を排除して、自分の存在を確認するのだ。
・多くの命を救うために一人を犠牲にすることは、地球上に生命体が誕生してから続く慣習なのだろう
・人間が残酷であるという事実だけでなく、どんなときに、なぜ、どのくらい残酷になれるのかを理解したとき、私たちはその先に進めるのだろう。
・私たちはなぜ、自分が好きなもので自分を定義するように、自分が嫌いなもので自分を定義するのだろうか。
・私たちが書く文章の大半は、ランキング上位のごく少数の言葉だけで構成される。
・単語の人気(頻度の順位)と実際に使われる回数の関係は、「ジップの法則」に従う。順位×回数=一定
・白人は主に髪と目で、アジア系は出身国で、ラテン系は音楽で、自分を差別化する。
・フォロワーが多い人は、企業の代表者のようにつぶやくのだ。
ツイッター文化の主流は、この一対多のコミュニケーションを中心に組織されている。しかし、黒人ユーザーは個人的なやり取りが中心で、相互のやり取りが多い。そのためフォロワーの数が多く、ネットで流行を生み出すインターネット・ミームを発信することも得意で、トレンドの上位を占める。
・100万人のフォロワーがいるアメリカ人になれる確率は、億万長者になれる確率と同じくらいだ。
・人気があるように見えると、本当に人気が出るのだ。
・「いいね!」をクリックするパターンは、その人の知性に似ているかもしれない。
・データはカネになる。だから、企業もそのように扱う。一部のデジタルデータは公開されているが、金庫室の壁のように分厚い法律の壁に守られている。

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