今さら聞けない経済教室

 池田信夫さんの「今さら聞けない経済教室」を読みました。タイトル通り、易しくてわかりやすく、今を理解するうえで必要な内容が網羅されていたと思います。しかし、こういう本を読むと、日本の行く末が本当に心配になります。ハイライトしたのは以下の通り。

発展途上国では所得とともに幸福度が上がりますが、年収1万ドルを超えると所得と幸福度の相関関係が弱くなり、家庭や職場など所得以外の要因の影響が大きくなります
・日本が社会主義国と似ているのは、これまでずっと続いていた価値体系が崩れたことです。かつては会社のために働き、それが出世や社会的地位という形で報われることが生きがいでしたが、いまはそうではありません
・高度成長のかなりの部分は人口(とくに若年労働力)の急速な増加と、その都市への集中で説明できます
・成長率を上げるには、企業買収やリストラで労働人口を流動化して生産性を上げ、経済を効率化するしかないのです
・日本の賃金が下がっていることがデフレの大きな原因です
・従業員共同体を守るために、労使一体(サラリーマン経営者も労働者)で賃金を中国に近づけているのです
・インド以外のBRICsの国々はマイナス成長に陥り、新興国バブルが崩壊した状況になっている
・日本の女性の労働参加率(働く女性の比率)は低く、とくに結婚や出産で退職したあと専業主婦になってしまう人が多い。こうした構造的なゆがみを正せば、労働人口はある程度、増やすことができます
労働組合が賃金の引き下げを許さないアメリカに比べて、日本は正社員を減らしてパートやアルバイトを増やして賃下げしてきたため、それがデフレという現象になっただけです
・いま必要なのは、人口を都市に集中させ、インフラを集中整備すること
・日本は、実質GDPは伸びていないが、一人あたりの成長率は高いとくに生産年齢人口あたりの成長率では、日本は主要国でトップ
・インフレや円安は労働者の実質賃金を下げて輸出企業の収益を増やす政策
・日本で最大の格差は、エンゲル係数にあらわれるような階層間の格差ではなく、払ったよりはるかに多い年金をもらう高齢者と、それを負担する現役世代の格差です
インボイスは、消費税の納税に重要な役割を果たす税額証明。これがないと正しい納税はできない
法人税は、「どこの国に投資するか」という立地条件には影響する
・日本の会社の問題は「内部留保」が労働者に分配されないことではなく、国内の設備投資に回らないことなのです。
・料金からみる限り、自由化のメリットはそのコストに見合いません
・問題はこどもの数を増やすことじゃなくて、女の人が一生働ける社会に変えることなのです
社会保障を成長しなくても維持できるしくみにすることです。いまの社会保障がゆがんでいるのは、おじいさんが悪いのではなく、人口が増え続けないと維持できないしくみだからです

今さら聞けない経済教室

今さら聞けない経済教室

 

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