りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか

最相葉月さんの「生涯を賭けるテーマをいかに選ぶか」を読みました。ノンフィクションライターである最相さんが、東工大で行った講義をまとめたものですが、むしろ12人の先端的な研究者の人と研究を最相さんの視点で切り取り、専門家で無い人に判りやすく簡潔に伝える技に驚きを覚えました。最相さんの分類では、研究テーマの選び方には4つのパターンがあるということです。一つ目は、小さいころから何らかのビジョンがあったという人。二つ目は、何がやりたいのかよく判らないけれども、とりあえず入ってみて、じわじわとテーマに近づいていく人。三つ目はセレンディピティと呼んでいる、ある種の偶然。四つ目は他人と違った視点でものを見て考えるアプローチ。全員が一番目でなかったのは良かった。やりたくて、やりたくて仕方ないテーマがあって、それが夢だって言うのは美しいけど、なかなかそういうテーマにめぐり合えないというのが自分が振り返っての現実。二番目のように、与えられた環境で、取り組んでみてのめりこんでいくというのが、個人的には現実のような気がします。

それにしても、テーマ選びのスタンスより、これだけの研究をざっと覗くことができたという意味で、有意義な本でした。

 

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今月の読書 2冊