りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ほんとうは危ない日本

田母神俊雄さんの「ほんとうは危ない日本」を読みました。過激な言動で有名な田母神さんの本なので、読み方としては、あくまで「ひとつの見方」としてとらえるべきなんでしょうけど説得力がありました。
自分がもっとも興味があったのは第1章の「領土問題が紛争の火種になる」ですが、この章では竹島尖閣諸島が日本の領土である根拠を明確に示してくれただけでなく、中国や韓国が何を意図してこれらの領土を自国領土と主張しているのかについて触れています。まずは、この章だけでも当初の目的は達成。第2章は「ほんとうは危ないアジア」、第3章は「日本は中国の脅威に備えよ!」、第4章は「間接侵略に立ち向かえ!」となっていて、確かに国防という観点から見ると、「仮想敵」のようなこうした厳しい見方をしておく必要性は感じましたが、正直自分の考えが甘すぎて、なかなかついていけませんでした。この辺は本当に良く勉強しないといけないなと痛感しました。
そして、個人的にとても勉強になったのが、第5章の「この世から戦争はなくならない」と第6章の「愛国心が試されるとき」でした。ここで必要な知識は、「戦争」とは何なのか。「軍隊」とは何なのかということ。まず、戦争の定義ですが、「国家が外国に対して、政治上の目的を達成するため武力を行使すること」としています。そして、戦争と犯罪を分けるものは、国家の意思によって行われているかどうかであり、戦争する資格があるのは国家だけであると説明されているのでわかりやすい。次に、軍隊と警察を区別する要素については、国際法上の交戦を行うか、国内法上の治安活動を行うかの違いとし、結果軍隊と戦う権利を持っているのは軍隊だけであり、この軍隊として戦う権利を「交戦権」と説明している。この辺までは何となくわかっていました。ただ、「不戦条約」については十分な認識がありませんでした。第一次大戦後の1928年に「締約国は国際紛争解決のため戦争に訴えることを非とし、且つその相呉の互の関係において、国家の政策手段としての戦争を放棄することをその各自の人民の名において厳粛に宣言する」というものについて、世界の主要国が約束したというもの。パリ不戦条約=ケロッグ・ブリアン条約といわれれば、聞いたことがありますが、こういう内容だったかというのは初めて認識したような気がします。文言としてはこれが日本の憲法第9条に入れられた感じだという。というわけで、田母神さんの主張として憲法改正は第9条の第二項「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない」こそすべきであって、特に「交戦権はこれを認めない」については絶対に改正しなければならないと主張していました。人によってはこうした意見は過激に映るのかもしれませんが、とても説得力のあるものでした。

[DATA]
今月の読書 1冊
1月からの読書 37冊