りおパパの日記

徒然なるままに。ドトールのコーヒーが好きです。

ヘヴン

川上未映子さんの「ヘヴン」を読みました。重かったですね。重松清さんの「疾走」を思い出しました。「苛められ、暴力をふるわれ、なぜ僕はそれに従うことしかできないのだろう」彼女は言う。苦しみを、弱さを受け入れた私たちが正義なのだ、と。彼は言う。できごとに良いも悪いもない。すべては結果にすぎないのだ、と。ただあてのない涙がぽろぽろとこぼれ、少年の頬を濡らす。少年の、痛みを抱えた目に映る「世界」に、救いはあるのか・・・。というのが本の帯に書かれたキャッチ。救いはあったのかな。自分は百瀬派かな。「正しいも、間違っているも、そんなものはない。ただそれぞれの都合があるだけだ。その都合と解釈のなかに、どれだけ他人を引きずり込むことができるか、圧倒的に、有無をいわさず、自分の枠に取り込むことができるか、けっきょくそれだけのことじゃないか」「世界はさ、ひとつじゃないんだよ。みんなが同じように理解できるような、そんな都合のいいひとつの世界なんて、どこにもないんだよ。そういふうに見えるときもあるけど、それはただそんな風に見えると言うだけのことだ。みんな決定的に違う世界に生きているんだよ。最初から最後まで。あとはその組合せでしかない。」

ヘヴン

ヘヴン

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