ローレンス・マクドナルド著「金融大狂乱」を読みました。副題は「リーマン・ブラザースはなぜ暴走したのか」です。著者のマクドナルド氏は元リーマン・ブラザース、ディストレス債権/転換社債トレーディング担当のバイスプレジデント。この本を読むと、サブプライムローンの証券化がいかに狂ったものだったのか、これにまつわるCDO、CDSがいい加減だったのかが良くわかります。そして、リーマンで働いていた人の優秀さと、リーマンにも良識のある人がいた事・・・当たり前ですけどね。
リーマン社内で初期のころから警告を発していたゲルバンド氏の言葉。「人間の行動を数学でモデル化するのは不可能だ。特定の人間がローンを返済するかどうかを、コンピューターモデルが教えてくれることは絶対にない。未来永劫にない。何にでも必ずリスクは存在する。そしてリスクを計算することはできない。リスクとリターンの関係性は、コンピュータの知的限界を超えたところにあるのだ」・・・私の立場からは難しい。でも、データがないところで、あっても不完備型データであれば、おそらく彼の発言は正しい。そして、そのいい例が、サブプライムの証券化商品の格付けだったんでしょう。
関係ないけど、この本にあったウォーレン・バフェットの成長サイクルに対する発言がいい。「すべての事柄には3つのIが存在する。最初にやってくるのが革命者(Innovator)、次にやってくるのが模倣者(Imitator)、最後にやってくるのが愚者(Idiot)である」。
- 作者: ローレンス・マクドナルド,パトリック・ロビンソン,峯村利哉
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2009/09/17
- メディア: 単行本
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